
株式会社 屋部土建様は昭和25年(1950年)設立の沖縄県に本社を置く総合建設業。土木・建築工事や海上工事を得意とし、沖縄県内はもちろん鹿児島県でも建設工事に携わっています。
従業員数は331名(2025年6月現在)、平均年齢は37歳と全産業に比べて高齢化が進んでいる建設業では若年層の活躍に力を入れられている屋部土建様。2025年度の新入社員は21名で、沖縄県内では「若手チャレンジ編」のCMも放送されています。

屋部土建様は早くからDXを推進、「YLAB」の開設を通じてデジタル技術を活用し、建設現場の効率化と生産性向上を図られています。コロナ禍の前からクラウドに切り替え、ファイル共有や共同作業、データ集計などの業務効率が大幅に向上。オンライン会議やペーパーレス化も社内に定着しました。
2024年4月にリリースした「GENBAx点検」をベータ版から早々にトライアルでご利用いただきその後本番導入。サービス改善とともに歩んでいただいた屋部土建様に導入の背景や効果をお聞きしました。
GENBAx点検について

「GENBAx点検」は、安全点検を効率化するツールです。建設機械の始業前点検のほか、設備や足場の点検、作業員の健康チェックなどあらゆる点検表をペーパーレスに。点検表の回収が不要、点検の承認をスマートに、安全点検業務の効率化を実現するサービスです。
2023年年末にα版リリースし、ご利用いただいた現場からフィードバックをいただきながら、2024年3月にβ版、4月には製品版をリリースしています。
2024年9月には国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS(ネティス)」に登録されました。
はじめに、皆様の直近業務について教えてください。
比嘉様:私はDX推進部の担当で、主に土木現場のICT 活用、BIM/CIM 活用、3D モデル作成、3次元計測業務をメインで現場のサポートをしています。また、今回のGENBAx点検のようなサービスを情報収集しながら現場へ展開するような役割もしています。
神山様:土木工事部兼DX推進部に所属しています。現場では全般の管理に携わっています。DX推進部に所属していることもあり、現場でレーザースキャナーや3次元CADを活用して工事を進めています。
松田様:土木工事部に所属しておりまして、現場技術員として施工管理全般、特に安全管理を担当しております。
組織・部署のDX推進の取り組み状況について教えてください。

比嘉様:全社的にDXに取り組んでおり、経営層から現場スタッフに至るまで、それぞれの立場から積極的に推進しています。テレビCM、SNSでも積極的に情報発信を行っています。
現場で使用するアプリに関しては、ボトムアップでの要望やフィードバックが原動力となっており、実務の中で自然と取り入れられています。
2017年頃、全社的にGoogle workspaceを導入しましたが、これは当時の社長(現会長)の発案によるものでした。当時は「DX」を意識していたわけではありませんが、振り返ってみると、結果的にDXを推進している企業として認知されていると実感しています。
DX推進への流れは、計画的に進めたというよりも"あるべき姿"を自然と追いかけていた感覚に近いです。
神山様:現在はGoogleクラウドを社内導入していますが3.11がきっかけでもありました。沖縄県建設業協会が東北建設業協会との交流で連絡体制を取ろうと思った時に電話が繋がらなかった経験を聞いて、沖縄県建設業協会でも連絡体制の見直しを行いGoogleクラウドを活用することがきっかけだったようです。その後、弊社もGoogleクラウドの導入を進める方針となり、すんなり進みました。やがて世の中のDX潮流に乗り、気づいたらもうやっていた感じでしたね。
このクラウド導入のおかげですごく助かっています。
比嘉様:それまでは外付けハードディスクでデータを管理していて、紛失や消滅といったトラブルもありました。
クラウドを導入したときは、思いのほかスムーズで、他社の方から「クラウドの導入って大変じゃなかったですか?」と聞かれることもありますが、正直なところ、そこまで苦労した記憶はありません。
もともと自社でメールサーバーを管理するだけでも結構大変でしたし、社員が増えてくると、クラウドの恩恵はより実感できますね。
神山様:お金がかからない範囲で個人的に試しています。どういうものかわからないので無料版で試してみてから会社で導入しようという流れですかね。
比嘉様:基本的にはスモールスタートで、使える人から使っていくスタイルです。実際に導入した後に地ならしをしていく流れです。現場の人は仕事が楽になるものしか使わないですからね。
SORABITOや「GENBAx点検」を知ったきっかけと、導入の背景を教えてください。
SORABITO 阿部: GENBAx点検を知ってくださったきっかけはお取引様が屋部土建様を弊社に紹介してくれたので、繋がることができました。
初回は弊社代表の博多が御社にお伺いし、後日私がGENBAx点検の説明のため訪問させていただきました。
比嘉様:導入の背景ですが、当社では年に1~2回、安全大会を開催しており、毎回100名~200名ほどの協力会社の方々にご参加いただいています。そこで過去の労働災害の傾向などを分析しているのですが、どうしてもアナログな部分があり、二度手間になってしまったりと、見える化できていないことに課題を感じていました。そうした状況に有効なのが、GENBAx点検だと感じています。
「こういった労働災害が起きました」といった情報は社内チャットで共有されるものの、ナレッジとして整理・活用できておらず、そのまま流れてしまうケースが多いのが実情です。
もちろん記録としては残っていますが、蓄積された情報をしっかりと見える化して活かしていく必要がありますね。
労働災害がゼロになることはなかなか難しいですが、実際に起きている事例は毎年似たような内容です。それが現場全体に十分に共有され、労働災害防止に繋がっているかは、まだまだ不十分だと感じています。
松田様:重なるところはあるかもしれませんが、機械の入れ替わりが多い場合に紙の点検表では紛失や整理に時間がかかっていました。今回導入したGENBAx点検は、特定の機械に対する点検表をすぐに作成できますし、点検状況や結果の一元管理が可能になるため、業務削減に繋がっていると思います。
比嘉様:最初はやっぱり皆さんから使うのが面倒くさいと言われるんですよね、ですが使ったら「これが楽だわ」とどこの現場からも言われますね。最初は覚えないといけないので中には大変な人もいますが、それは人それぞれなところもありますし、最終的には「楽でしょ」となります(笑)
神山様:導入後はみなさんが使いやすいように地ならしをしています。ベースを整えて「後はみんな使ってね!」にすると意外にみなさん勝手に使ってくれます。
GENBAx点検もSORABITOさんから説明を受ける前にマスターの作成から始め勝手に環境を作っていました。
最初にGENBAx点検を導入された現場の選定条件はありましたか?
比嘉様:私が担当している現場でやろうと決めました。協力会社さんもデジタル活用に慣れておりリテラシーが高かったので、少しの説明で自走してくれました。現場スタッフや協力業者さんにに恵まれましたので私はそこまで関与せずに済みました(笑)
思い返してみれば、以前からクラウド活用して業務しているので抵抗感がなかったのではと思います。
GENBAx点検を導入されて新たに気づいたことはありましたか?

神山様:そうですね、実は導入してから気づいたことがあります。
今使っている紙での点検項目をきちんと整理してからGENBAx点検のフォーマットに反映した方がスリムになったのでは、と感じています。
実際に他社さんの点検項目を見ると「こっちの方がいいね」と感じるものがありました。
ですが、もう運用は始まっているので随時直していけばいいのですが、直すより整理してから始めた方が最終的にはもっと効率化になると思いました。
紙で管理するのが一番受け入れられやすいですが、それぞれの項目がバラバラなんですよね。そこも地ならしすればよかったのかなと思いました。

松田様:使うまでの入りが手こずったこともありますが、現場のサポートもあって使えるようになりました。今の現場で特殊機械の項目があるので、もう少し簡単に設定できたらいいなと思います。
神山様:全体像が見えていたらいいよね。新たに機械登録するタイミングに慣れが必要ですね。施工体系だけでなく点検項目も標準化できれば、協力会社の負担が軽減されるでしょうし、会社ごとに違っていたら協力会社が大変なので、統一化されていたら悩まないですよね。
紙でもGENBAx点検でも統一化されていればやることは同じなので、統一化はどうにかしたいです。せめて沖縄県内で点検表フォーマットの統一化をしたいと思っています。
比嘉様:沖縄県内の別のところで契約関係を統一化に向けた動きはあるようです。北海道では成功事例があるようですね。そういった動きを点検簿でもやってほしいですね。
導入の効果を教えてください。
比嘉様: 感覚としては作業時間が約半分に削減できました。紙から置き換わったことで、点検作業と共有が同時にでき、確実に業務削減に繋がっています。あと県内で施工中の大手ゼネコン現場でもGENBAx点検を導入しているみたいで、そこに入ってる協力業者から「これ、いいですよね!」と、現場で話題になりました。

また、当社では新入社員教育でもGENBAx点検を見せながら教育を行っています。

松田様:安全点検にかかる時間は半分以下になりましたね。
また、人の管理含めて15-6件管理しているのですが、毎月の紙の出力やファイリングがなくなったので業務としては楽になりました。
比嘉様:持込機械届受理証はGENBAX点検からすぐ出力できるので便利ですよね。現場で使うことを考えて、私たちは耐水性のあるエコクリスタル紙に印刷して使っています。

神山様:ウチの現場でも同じ感じでマグネットで機械に貼っていて、慣れたらGENBAx点検が楽です。以前はGoogleフォームで作っていて入力項目が多すぎたんですが、GENBAx点検導入後は入力項目が少ないので楽になったと評判が高いです。
比嘉様:最初、トライアルが終わった時に継続するかどうかをみんなで相談していたのですが、協力会社から「これやめないでください」と懇願されました笑
協力会社の押しがあるとやっぱり強いです。社内で承認を取るにもいいパワーワードになりますよね。
神山様:その時、すかさずウチの現場も一緒にいれて!と割り込んだんですよ(笑)


施主様からの印象はいかがでしたか?
比嘉様:発注者のプロセスチェックでは、GENBAx点検で作成した点検簿を提示しています。NETISにも登録されているツールなので、しっかりとアピールでき、監督員もかなり関心を持たれていました。
また、安全パトロールの場面でも、建災防担当の方が同様に高い関心を示されていて、実際の運用面でも評価されていると感じています。
現場ではこれを印刷してPRしています。

「GENBAx点検」に追加して欲しい機能があれば、教えてください。
比嘉様:以前にも要望としては伝えたのですが、点検実施する際の画面に機械のサムネイルがないため新入社員には分かりにくいという課題がありますね。使い方は、少し教えれば使いこなしてくれるのですが、そもそも「この機械なんだろう?」という疑問があります。
神山様:機械一覧があったらいいですね、協力会社が持っている一覧とか。現場で一覧があるとリアルの機械をチェックしやすいので、会社の持っている機械一覧とかがPDFでズラッと出せたら便利だと思います。
「GENBAx点検」を活用して、取り組みたいことや展望があれば教えてください。
比嘉様:次のステップとしては、安全パトロールを活用しながら、現場の見える化をさらに推進していく予定です。是正事項はどうしても出てくるものなので、それらをしっかりとナレッジとして蓄積し、災害防止に繋がる仕組みづくりを行っていきたいと思います。
今後はさらに二重三重に行っているような重複作業を見直し、省人化・効率化を目指して取り組んでいきます。
また、建機レンタルの「i-Rental 注文」 との連携が進めば、沖縄の建設業全体にとっても大きなメリットになると感じます。
松田様:これまで通り使い続けて、社内の中でも現場が増えていって業務削減につながっていければと思います。
神山様:先ほどもお伝えしましたが、点検表の項目整理にまだ課題があると思っているので引き続き整えていきたいと思っています。
また、我々がいくら効率化できたと言えど、結局は協力会社が乗ってくれないと意味がないですし、現場が一番の主役なのでこちら側が整備していかないといけませんね。

ありがとうございました。私たちも「GENBAx点検」の活用が広がるよう尽力いたします。
導入企業紹介
社名:株式会社 屋部土建 代表者:代表取締役 仲座 義人 本社所在地:沖縄県名護市港2丁目6番5号 設立:1933年 URL:https://www.yabudoken.co.jp/
