建機レンタル業における点検・整備業務のデジタル化は、「やりたいとは思っているけれど、なかなか進まない」という声を多くの現場でうかがいます。稼働率を上げ売上アップを目指す日々の業務、ベテランスタッフのデジタルへの抵抗感、基幹システムとの連携問題――そうした複合的な課題を抱えながらも、愛知県を拠点に建機レンタル・整備・販売事業を広域展開するレンテック大敬株式会社(以下、レンテック大敬)は、SORABITOの「i-Rental 点検」を活用したペーパーレス化・DX推進に着実に取り組んでいます。
「良いものは、自然と現場に浸透する」という言葉が印象的だったインタビュー。4月からサービス統括部(全社のサービス部門の支援部署)の専任担当となったご担当者様に、トライアルから本格導入、そして次のフェーズへの展望まで、率直な言葉でお話しいただきました。
この事例のポイント
【導入前の課題】
・点検・整備の写真は撮っていたが、整理・管理ができていなかった
・整備履歴が一元管理されておらず、確認のたびに事務所と現場の往復移動が発生していた
・拠点間での写真・情報共有の手段がなく、お電話や事務所に戻っての確認をしていた
・以前使っていたシステムは不具合報告が多くレスポンスが遅かった
・各拠点で業務のやり方がバラバラで、標準化が進んでいなかった
・メンテナンス部門と営業部門の間に情報共有の壁があった
【「i-Rental 点検」で解決したこと】
・点検実施した履歴や機械情報がシステム上に一元管理され、スマートフォン一台でいつでもどこからでも確認できるようになった
・写真や点検表を探す時間・確認のための移動・拠点間の連絡など、無駄な工数が大幅に削減された
・誰がいつどのような業務を行ったかの履歴が残り、整備品質が可視化された
・Microsoft Teams連携(Power Automate活用)により、通知のリアルタイム性が増し情報共有がスムーズになった
・活用業務や範囲を絞って推進することで拠点ごとの業務のばらつきが可視化され、改善されつつある
・複数部署が同じ画面で点検結果を共有できるようになり、メンテナンス部門と営業部門の連携が強化された
まずはレンテック大敬について教えてください。
レンテック大敬は、愛知県を本拠地に、岐阜・三重・静岡エリアにまで事業所を展開する地域密着型の建機レンタル会社です。土木建設機械・フォークリフト・高所作業車・発電機・コンプレッサーなど幅広い機械をレンタル・販売しており、修理・メンテナンスも手がけています。「謙虚 誠実 感謝 お客様と共に」という企業理念のもと、地域のお客様との長期的な信頼関係を大切にしながら事業を展開されています。24時間無人レンタルや独自サービスにも積極的に取り組まれており、地域の建設・建機業界を支える重要な役割を担っています。
担当者様のご紹介と業務について教えてください。

竹内様:入社して26年になります。最初の10年間は新規事業に携わり、その後イベント部門と人事部門を経て、直近3年間は社内のイノベーション推進を担当しました。今はその延長線上にある企画支援の部門に所属しており、営業サービスや販売、新規事業などを担当しています。
佐藤様:2026年4月から、サービス部門のDX推進専任担当になりました。拠点の業務改善活動をしながら改革を進めてきたのですが、拠点業務と並行して改善活動を行う時間の確保がどうしても難しくて。「拠点だけでなく、支店全体、そして全社的に仕組みを変えていく必要がある」と役員に相談して、専任にしていただきました。整備士としての前職経験と、サービス部門のリーダー経験を活かして、現場目線でDXを推進していきたいと考えています。
組織・部署としてのDX推進の取り組み状況について教えてください。
竹内様:全社的なDXの取り組みは実は4年前から始まっているんです。経理部門では請求書管理のデジタル化、人事部門では人事評価の一元管理や勤怠管理、コンサルティング業務では顧客管理システムの活用など、各部門でそれぞれ取り組みは進んでいます。ただ、正直なところ、デジタル化の進展はまだ道半ばで、スピードが遅いと感じています。各部門が個別にシステムを管理しているため、システム間の連携や統一管理は今後の課題です。
SORABITO:サービス部門におけるDX推進のきっかけは何だったのでしょう?
竹内様:サービス業務は、人が機械に直接触れる業務がメインなので、「端末操作は現場には向かないかもしれない」という先入観がありました。でも、実機に触れる時間以外にも、写真の管理や整備履歴の確認など、多くの工数がかかっていることに気づいたんです。その部分こそデジタル化できるはずだと感じたのが、DX推進に本腰を入れたきっかけでした。
導入前の運用と課題(点検・修理の流れ/負担・課題)について教えてください。

SORABITO:「i-Rental 点検」を導入される前、修理点検の業務はどのような流れで行われていたのでしょうか?
佐藤様:機械の点検はもちろんなのですが、写真撮影・写真管理・拠点間の写真共有といった周辺業務に、膨大な工数がかかっていました。写真撮影の習慣はあったのですが、整理・管理ができていませんでした。整備履歴を確認するために事務所と現場を何度も往復するのも日常的で、1日に1万から2万歩は歩いていたほどです(笑)。
SORABITO:整備履歴の共有もできていなかったのでしょうか?
佐藤様:誰がいつどのような整備を行ったか、という履歴が一元管理されていなかったのです。点検履歴の可視化と、誰でもどこからでもアクセスできる仕組みが必要だと感じていました。以前使っていたシステムは、点検項目との紐付けができておらず、不具合の報告も多くてレスポンスが遅い。現場からの不満も大きかったですね。
「i-Rental 点検」を知ったきっかけと、導入検討の背景・決め手を教えてください。
竹内様:実は、弊社とSORABITOさんとの間には、レンタル受発注(i-Rental 注文)の分野での長年の取引実績があったんです。そのご縁もあり、「i-Rental 点検」を知ったときに他のシステムとの比較検討を最小限に抑えて、早期に判断することができました。
SORABITO:導入の決め手は何でしたか?
佐藤様:「機械の稼働率を最大化する」という弊社の方針に、「i-Rental 点検」がマッチするかどうかが最大の関心事でした。写真管理や整備履歴の保持といった機能をツールとして割り切って使えるかどうかを確認したかったのです。トライアルを通じて、そこが確認できたことが最終的な決め手になりました。
トライアルを実施されてみて、いかがでしたか?
竹内様:正直、「i-Rental 点検」の品質はよいと思っていたのですが、それが弊社の業務にマッチするかという不安がありました。そこで、まずは複数拠点でトライアルを開始して、各拠点の業務のばらつきを標準化しながら、一つひとつ不安を解消していく方法をとりました。
SORABITO:現場の反応はいかがでしたか?
佐藤様:予想以上にポジティブな声が多かったですね。現場スタッフが「これ便利だ!」と感じたものは、説明しなくても自然と広がっていくんです。「良いものは浸透する」というのが実感でした。
SORABITO:トライアルを行ったことで、新たな課題の発見や気づきはありましたか?
竹内様:各拠点によって業務のやり方がバラバラだったことが、改めて浮き彫りになりました。トライアルを通じて標準化の必要性を強く感じましたね。そこを一つずつ整理していくプロセスが、結果的にDX推進全体の土台になったと思っています。
基幹システムとの連携を待たずに導入を決断された理由は何でしたか?
竹内様:基幹システムとの連携を待っていたら、何年もかかる可能性がありました。その間も、現場のサービス業務の課題を放置するわけにはいかない。だから、まず業務を変えること、点検業務のDXを定着させることを優先したのです。「写真管理・整備履歴保持のためのツール」として割り切って導入することにしました。
SORABITO:スモールスタートという考え方が、推進の鍵になったのでしょうか?
佐藤様:そうですね。スモールスタートで確実に定着させてから、次のフェーズに進む――この進め方が弊社には合っていました。一気に展開しようとすると現場が混乱しますし、「良いものが自然と広がる」ためには、まず小さな成功体験を積み上げることが大切だと思っています。
導入当初の社員の反応と、現場定着のための工夫を教えてください。

竹内様:最初は変化を嫌う声もありましたよ。特にベテランのスタッフから「スマートフォンが見にくい」「仕事中にスマートフォンを壊してしまうかもしれない」という心配の声がありました。
SORABITO:どのような対応をされたのでしょうか?
佐藤様:破損対策として会社から丈夫なスマートフォンカバーとフィルムを支給しました。見にくさへの対応としては、現在タブレットのトライアル検証を進めています。機能を一気に広げず、スモールスタートで進めることも意識しました。できることを少しずつ積み重ねていくことで、現場の不安が解消されていきましたね。

活用している機能と運用方法について教えてください。
佐藤様:「i-Rental 点検」は、営業やメンテナンス支援を行ってくれる部署にメール通知をしてくれるのですが、特に営業スタッフはあまりOutlookを確認しないんですよ(笑)。そこで、全社的に使っているTeamsに連携する仕組みを構築しました。Microsoft Power Automateを活用して、「i-Rental 点検」のメール通知をTeamsのチャンネルに自動転送するようにしたのです。操作を1ステップ減らすだけでも、現場の負担は大きく変わります。この仕組みの構築では、SORABITOさんにも手厚くサポートいただきました。
SORABITO:他部署との連携もご苦労されたと伺いました。
佐藤様:「i-Rental 点検」をさまざまな点検業務のプラットフォームとして活用したいと考えると、商品管理部や拠点運営サポート部など他部署を巻き込む必要がありました。特に、商品項目(大分類・中分類)の紐付けや、基幹システムと連携していない部分の管理については、商品管理部の協力を得てルール作りと運用を進めることがたいへんでした。修理発生時にサポート部とどう連携するかも悩みましたね。
導入後の変化・効果(工数削減、情報共有、管理の一元化)はいかがでしたか?

竹内様:一番大きな効果は、移動時間と検索時間の削減です。以前は整備履歴を確認するたびに事務所と現場を往復して(撮り溜めた画像を事務所内PCで過去にさかのぼって一件一件探して)いましたが、今はスマートフォン一つで確認できます。写真や点検表を探す時間、確認のための移動、拠点間の連絡といった無駄な時間が大幅に削減されました。誰がいつどのような業務を行ったかという履歴が残るようになったことで、整備品質の可視化も実現しています。
SORABITO:メンテナンス部門と営業部門の連携にも変化がありましたか?
佐藤様:メンテナンス事業部とレンタル部門は、以前から見えない溝があったんです。でも半年前から両部門が同じ権限を持つようになり、機械を扱う考え方を共有して協力体制を築きつつあります。「i-Rental 点検」の導入によって両部門が機械情報を共有できるようになり、同じ画面を見ながら「この機械、今こういう状態だよね」と認識を合わせられるようになりました。一体感を持って一緒に取り組んでくれる雰囲気が生まれてきています。
今後の活用方法・展開案(フェーズ2、3)について教えてください。
竹内様:まず直近1〜2か月でアタッチメントの入庫点検をスタートさせる予定です。紙ベースの業務からの移行で、工数を増やさずに品質向上が見込めます。続いて5〜6月頃には、クレーン・コンプレッサー・発電機などを対象とした定期自主検査の導入を予定しています。4月から一部スタートしていますが、小物商品にも「i-Rental 点検」の利用範囲を広げることも考えています。「まとめて点検」という一括で登録できる機能だと工数を増やさずに点検結果を蓄積し、さらに顧客折衝や品質向上を目指したいと考えています。
SORABITO:日々会話させていただく中で、予防整備に関する期待もいただいておりますよね。
竹内様:予防整備は10年ほど前から取り組んでいて、過去のクレームデータから機械の故障(または損傷)を分析し、故障が多い時期や機種を特定して事前にメンテナンスを行う仕組みです。「i-Rental 点検」が予防整備型の履歴管理サービスとして進化してくれれば、点検項目を見るだけで「どこを、どのように、どれくらいの頻度で整備すればいいか」が分かるようになる。それが実現すれば、サービスが大きく革新されると期待しています。
佐藤様:次なる展開もたくさんお聞きしているので楽しみにしています。さらに全社でたくさんのことをご一緒したいです!
SORABITOへの期待・追加してほしい機能、「i-Rental 点検」を活用して取り組みたいことや展望を教えてください。

竹内様:「i-Rental 点検」には、現場で不要な作業を切り捨てられるようになること、そして弊社の独自の運用方法に合った、よりシンプルな設計になることを期待しています。現在の修理機能は、発注状況や金額まで記録できるのですが、今は基幹システムと全く同じ情報を入力しないといけないため、運用を見送っています。基幹システムとの連携が実現した時点で修理機能もフル活用したいと考えています。
佐藤様:SORABITOさんには、単なるシステムベンダーとして終わらず、弊社のDX推進を一緒に考えてくれるパートナーとして、これからも伴走してほしいと思っています。現実的な課題解決から、将来の「こんなことができたら面白いな」というワクワクする話まで、幅広く一緒に取り組んでいけたらと思っていますし、そういう議論ができる相手として信頼しています。
編集後記
今回のインタビューを通じて印象的だったのは、「良いものは浸透する」という担当者様の言葉でした。DX推進というと、トップダウンで全社に一気に展開するイメージを持たれがちですが、レンテック大敬が実践したのは真逆のアプローチ。スモールスタートで確実に現場の信頼を積み重ね、現場スタッフが「これは使える」と感じたものが自然と広がっていく――その草の根的な定着のプロセスこそが、DX推進成功の鍵だったのではないでしょうか。
現場を知り尽くしたベテランがDXをリードすることで、「デジタル化のための変化」ではなく「現場のためのデジタル化」を実現できているのだと感じました。愛知という地域のものづくりを支える建機レンタル業において、SORABITOはシステムを「売る」だけでなく、お客様の業務変革を共に歩む伴走者としての役割を果たしています。
SORABITOでは、「i-Rental 点検」の機能提供にとどまらず、愛知をはじめとした各地域の建機レンタル会社のDX推進を現場に寄り添いながら支援しています。「修理点検の履歴管理をデジタル化したい」「ペーパーレス化に踏み出したいけれど何から始めればいいか分からない」「トライアルだけでもやってみたい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
導入企業紹介
社名:レンテック大敬株式会社 本社所在地:愛知県 事業内容:土木建設機械・特殊機械・フォークリフト・仮設資材・産業車両のレンタル・販売・修理・メンテナンス https://www.daikei-gr.jp/

「i-Rental点検」とは
「i-Rental 点検」は、建設機械をはじめとした各種車両の点検表をペーパーレス化するサービスです。1台の建設機械・車両に対して複数の点検結果・修理結果と写真を一括管理できるほか、点検種類(出庫点検・入庫点検・簡易点検・定期点検など)を任意にカスタマイズできるため、建機レンタル事業における点検業務の実態に即した運用が実現できます。スマートフォンやタブレット、パソコンなどマルチデバイス対応で、整備士だけでなく内勤スタッフや営業担当も活用可能。点検結果の登録作業の効率化、点検履歴検索の効率化のほか、点検・修理情報のリアルタイム共有などに寄与します。
また、2026年1月に法定の「特定自主検査」に対応した新機能を正式にリリース。公益社団法人建設荷役車両安全技術協会の指定様式に準拠した検査表の作成が可能になりました。従来の「特定自主検査指針」が「特定自主検査基準」へと格上げされ、より厳格な検査実施と記録管理が求められることを背景に、ITの力で企業のコンプライアンス(法令遵守)体制強化と現場の負担軽減を両立させ、現場の安全DXの推進に貢献します。
サービス紹介動画:https://www.youtube.com/watch?v=u2GDxiqewRY
サービス紹介動画(特定自主検査):https://www.youtube.com/watch?v=4lB0sBMdWho
「i-Rental 点検」:https://www.sorabito.com/service/ir-insp